経験豊富な熟練者が高齢で退職するリスク
キャディ株式会社は2023年12月7日、「2024年度に向けた、製造業のDXにおける投資予算や課題などの実態に関するアンケート調査」の結果を公開した。同調査は2023年11月14日~11月15日に製造業(食品・繊維・化学を除く)に勤務する918名を対象に実施された。
まず、勤め先で人員不足が原因で発生する課題を尋ねると、42%が「熟練労働者の不足による品質管理の問題」と回答し最多となった。2位は40%の「経験豊富な高齢者の退職による専門知識の喪失」と続き、経験豊富な熟練者が高齢で退職することが大きな課題であることが見えてきた。
「人員不足を感じていない」という回答は、「製造業全体」で10%、「購買・調達」に従事する人は0%だった。「購買・調達」に従事する人では、人員不足が原因で発生する課題のほとんどの項目が製造業全体よりも高い数値となっていて、課題の深刻さがうかがえる。
課題は予算不足・人材の不在・推進力の弱さ
クラウドサービスのビジネスへの影響を聞くと、製造業全体では66%、「購買・調達」に従事する人で76%が「大幅に改善」もしくは「ある程度改善」と答えている。
一方で、2024年度のDXに対する投資予算は、前年度と比較し「増加」と回答したのは28%に留まった。最多となったのは65%の「(昨年度と)変わらない」だ。
DXプロジェクトを推進する際の課題としては、43.3%の「予算の制約」が最多、次いで38.5%の「適切なITスキルを持った人材の不足」、28.5%の「リーダーシップとビジョンの不足」という結果だった。
製造業で人手不足は深刻な課題となっている。1人あたりの生産性を上げること、属人化しているスキル・暗黙知の知見を会社の資産とする方法を模索していく必要がある。DXの推進は課題解決の要だが、予算も人材も低迷している現状が読み取れる。予算不足に加え、DXを推進できる人材がいないこと、DX推進力の弱さが大きな課題だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
キャディ株式会社のプレスリリース
https://caddi.com/press/20231207/